「特に高齢の方々は、比較的早く抗体レベルが下がってしまうのではといわれています。まずはどれぐらいの割合の人がどの程度下がっていくのか、把握していく必要がありますね。そうしたデータがなければ、ブースターの有効性を強く主張することはできません」(同)

さらに中山医師はワクチンの供給について、自国だけでなく地球規模での視点を持ち合わせるべきだと話す。

「まずはブースターではなく、発展途上国などワクチンが十分に行き渡っていない国に供給しようという意識を向けてほしい。自国のことを考えると同時に、世界全体のことを考えなければ収束には向かわない。世界全体の足並みがそろわないと、流行は終わらないと思います」

先行国での議題が3回目接種のフェーズに移行している中、日本では接種を希望しながら、1回目の接種すら叶っていない人も数多い。ブースターが本格的な議論になるのは一体いつになるのだろうか。足踏みはしばらく続きそうだ。

(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)

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