大人でも合格が難しい難関国家試験を、最年少で突破した子供たち。生まれつき天才少年・少女だったのか、環境なのか、教育の力か……。どんな勉強をして、どうやって合格に至ったのか。その素顔に迫る。
第一種電気工事士 10歳で取得 新田絆翔まことさん

幼稚園の頃から試験準備を開始「つらいと思ったことは1度もない」!?

群馬県高崎市の中学1年生、新田絆翔さんは、小学3年生(8歳)のときに、住宅や店舗の電気工事に従事できる国家資格「第二種電気工事士」、小学5年生(10歳)で、ビルや工場などの電気工事に従事できる国家資格「第一種電気工事士」の試験に合格した。どちらも史上最年少だ。

父の正晴さん(右)は病院やビルなどの電気工事が仕事。中学生になった絆翔さん(左)の好きな科目は「理科と数学」。苦手は「音楽と国語」という。
父の正晴さん(右)は病院やビルなどの電気工事が仕事。中学生になった絆翔さん(左)の好きな科目は「理科と数学」。苦手は「音楽と国語」という。

いずれも工業高校生以上が挑戦するレベル。筆記試験では、オームの法則など電気工学の基礎理論や、配線設計の知識などが問われ、「施工」「絶縁」「被膜」「漏電」など、一般の小学生には縁のない難読漢字や専門用語が満載だ。さらに、配線図通りに配線を完成させる実技試験もある。絆翔さんが受けた年の第一種合格率は、筆記が54.1%、実技が64.7%の狭き門だった。

絆翔さんは小さいころから飛行機が大好き。「パイロットになりたい」という絆翔さんに、電気設備工事業の会社・弘電社でビルや工場の電気設備の施工管理を行う父の正晴さんは、「それなら飛行機の電気機器がわかるようになるといいぞ」と働きかけたところ関心を持った。