「勉強になりました」と答えるのが最低限のマナー

この会話の「ヤバさ」にお気づきになっただろうか? 先輩も大人だから、「それはよかったです。では、また!」と返しているが、本当だったら、こう返したいくらいだろう。

【先輩】参考になりました? え? 参考にしかならなかったってこと? 違うだろ、「勉強になりました」だろ。

いくつものクエスチョンマークが浮かんでいるビジネスマン
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たとえ先輩のアドバイスがポンコツだと思ったとしても、それを表に出さずに、「勉強になりました」と言っておいたほうが、別の機会があった時に教えてもらいやすいはずだ。

これは社会人としての本当に最低限のマナー。僕も運営している「考えるエンジン講座」を通じて、様々な相談を受ける。アドバイスを親身に行って、最後の返事が「参考になりました」と「勉強になりました」では、終わったあとの清々しさが変わる。

たったそれだけで、損している人がいるのだ。それに気づかず、こういう発言をしてしまうことを、まさに、「チャームがない」と表現するわけだ。

「そうなんですよ」は言ってはいけない発言ランキング1位

誰かに相談した時に言ってはいけない発言ランキング、第1位が「そうなんですよ」だ。

コンサルで言えば、ジュニアメンバーが、マネージャーに相談している時によく見かけた光景なのだが、その度に目を覆いたくなった。

【ジュニア】入社半年で、まだ立ち上がれずにいるんですが、どうしたらいいでしょうか。

【マネージャー】タスクを洗い出す前に、論点を書き出したほうがいいよ。

【ジュニア】そうなんですよ。切羽詰まって、どうしてもタスクに目がいってしまい。

【マネージャー】ほい。じゃ、がんばってください。

もうね、テンションがだだ下がりになってしまう、この「そうなんですよ」。

なぜ、この発言がダメなのか。それは、「そうなんですよ」という発言に潜んでいる「成分」がカギを握っている。「そうなんですよ」には、「そんなことわかっています。わかっていますよ。言われなくてもわかっています」という意図・意味が含まれており、それが相手に伝わってしまうのだ。

その発言を聞く度に思う、「チャームがない。本当にモッタイナイなぁ」と。目上の人にアドバイスをもらった時は、「確かに言われてみれば、そうですね」と前置きするか、テンション高く「なるほどぉおお」とリアクションすればいい。

わざわざ時間をとって教えてもらっているわけだから、相手を気持ちよくして、ガンガン語ってもらったほうが得だろう。教えてもらう中で、良い相槌を打つことで相手を気持ちよくさせて、可愛げを売りながら、自分も成長する。これが本当にできる人の姿なのだ。