職場で相槌を打つときに、どんな言葉を使っているだろうか。経営コンサルタントの高松智史さんは「『そうなんですよ』『参考にします』といった言葉を使っている人は要注意だ」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、高松智史『変える技術、考える技術』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

拡声器で部下を怒鳴りつける上司
写真=iStock.com/Ju Photographer
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「可愛げ」のある人は、どんな言葉で相槌を打つのか

本稿のテーマは「チャーム」だ。

チャームは、簡単に言うと「可愛げ」のこと。周囲から愛されるか、愛されないか、で人生の充実度は段違いになる。まずは「言葉遣い」から、チャームを研究していきたい。

「チャームがない」人からは、ポンコツ発言がパレード行進してくる。言葉遣いで、「この人、損しているな」と感じることが多いのだが、その代表例が「参考にします」という言葉。もしかしたら、みなさんも「他意なく」使っているかもしれない。

BCG時代も、「チャームがない」同僚の会話をよく目の当たりにしていたが、まさに、「開いた口が塞がらない」とはこのことだなと、今でも鮮明に覚えていることがある。それは、ジュニアメンバー(入社1~2年目)が、2年先輩のコンサルに「パフォーマンスが上がらない」という相談をしていた場面だ。

【後輩】マネージャーからスライドが全然ダメと言われ続けています。

【先輩】なるほど。でも、それはみんなが最初は言われることだから。

【後輩】とはいえ、私自身も悔しいので、どうにかしたいんですよ。

【先輩】であれば、まず、スライドを書くプロセスを進化させたほうがいいよ(と始まり、20分、色々なアドバイスをしたあと……)。

【後輩】参考になりました。

【先輩】……それはよかったです。では、また!

という会話だ。