いつまで“コロナ自粛”を続ければいいのか。医師の大和田潔さんは「新型コロナの死者数は70代以上の高齢者が8割以上を占める。高齢者へのワクチン接種が急速に進んだ今、もうコロナは終わったと言っていい」という――。
2020東京五輪のロゴが飾られた東京都庁
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テレビとかけ離れた医療現場のリアル

新型コロナの流行で、テレビには「専門家」と呼ばれる人たちが毎日のように出演してきました。メディアから膨大なコロナ関連の情報が流れ、人々は混乱を極めました。

PCRやワクチン、そして東京五輪・パラリンピックと話題を変えつつ現在まで続いています。テレビの情報からは「コロナは終わった」と思えないのも無理はありません。

実際どうであったかは、日本で最もコロナ診療を行った医師が示すファクトが全てです。「『開業医に治療を拒否できないように』日本一コロナ患者を診た『町医者』が語る日本医師会の問題(※1)にその様子が記されています。

記事に登場する長尾和宏先生は、日本の流行を「さざ波」だったと断言されています。ワクチンが登場する前でも早期診断と早期治療をすれば軽快する人が多く、ほとんどの患者さんが軽症でした。専門家会議と医師会が、重症者に対応する基幹病院に、無症状を含め陽性者全ての患者の初期治療から割り振ったのが医療の逼迫ひっぱくを招いたと断言しています。

専門家会議や自称専門家の人々が流布していたメディア情報と、臨床の実像はかけ離れたものだったことが明記されています。私が2019年末から拝見してきた出来事も処方の方針も全く一緒でした(※2)

一方、専門家会議を引き継いだ新型コロナウイルス感染症対策分科会(以下、専門家会議)は、感染拡大を訴え続け、五輪開催にも否定的な発信を続けています。本当にそうなのでしょうか?