政治資金パーティーにすし屋で密会…
中川会長が4月21日の定例記者会見で、「3度目の緊急事態宣言が不可避の状況」「新型コロナの感染拡大を抑える基本は各人の意識と行動だ」と自粛を呼び掛けていたのに、その前日、自分が後援会長を務めている医師会お抱えの自見英子参院議員の政治資金パーティーの発起人になり、出席して祝辞を述べていたことを最初に報じたのは文春オンラインだった。
次に週刊新潮が、昨年の医師会選挙の後、会長に就任した中川が、親しくしている医師会傘下の総合政策研究機構の研究員の女性と高級すし屋で“密会”し、シャンパンを飲んでいたことを報じた。
パーティーに出席していた時には、「感染症対策のガイドラインに基づき開催した」と言い訳をしていたが、“密会”については「記憶にない」と沈黙した。
週刊新潮は続けて、この女性が中川の推しにより現在は主席研究員の要職にあり、年収は1800万円にもなると報じた。
日医総研は1997年4月に医師会のシンクタンクとしてつくられ、毎年多額の予算が投じられてきている。
だが、2004年に植松会長(当時)が福岡市にある会社との取引におかしな点があると気づき、調べるよう指示した。
すると会社の代表は日医総研の女性主席研究員で、取締役にも1人日医の人間が名を連ねていたことが判明した。
「報酬の二重取りではないか」と、すぐに契約を中止させた“事件”が起きていたことを、中川会長はまさか知らなかったわけではないと思うのだが。
経営する病院でクラスターを起こす大失策
その後も中川会長は、感染対策が不十分だ、国民の命を守れといい続けていたが、会長にふさわしいのかどうかを疑わせる決定的ともいえるスキャンダルが報じられたのである。
週刊文春(7/1日号)の「『中川医師会長はコロナ患者を見殺しに』職員5人が告発」がそれである。
中川会長は、1988年、36歳の若さで北海道札幌市に新さっぽろ脳神経外科病院を開業し、日本で最初に脳ドックを導入したといわれる。
現在は急性期病院として病床135床を擁し、来夏にはJR新札幌駅近くに30億円を投じて新ビルを造り、移転する予定だというから、彼の権勢が分かろうというものである。
だが、その病院の職員5人が週刊文春に対して、「中川はコロナ患者を見殺しにした」と告発したというのだ。事実だとすれば、中川会長の進退問題にまで発展しかねない大スキャンダルである。