フォーカスした一点に、全エネルギーを集中させる

ただ、読者の皆さんからはこんな声が聞こえてきそうですね。

「大事なことは何か? すべきことは何か? 目的は何か? そこにフォーカスはできている。だけど、成果が上げられないんです」
「集中しろと言われても、ほかにもたくさんやらなきゃいけない仕事があって、フォーカスなんてできないよ」

たしかに日常の仕事の中では、重要なことが何か判断がついているのに、それでもスピードが遅く、集中できず、成果を上げられない人は少なくありません。なぜでしょうか? それは、フォーカス力がまだまだ弱すぎるからです。

仕事のスピードを高速にするには、フォーカス力をより強固なものにしていかなければなりません。太陽光を虫眼鏡を介して一点に集めると、目には見えない赤外線が集中して火をつけることができます。それと一緒です。フォーカスした一点に、全エネルギーを集中させなければなりません。

では、どうすれば集中できるのか? ここで初めて「ノウハウ」が必要になるのです。

集中力のカギはドーパミンにあり

古今東西、集中力を高めるための脳科学に基づいた研究がさかんに行われています。その結果、「どうすれば集中力が上がるのか」の答えはほぼ出尽くしています。高速仕事術のノウハウは、脳科学の学会などで発表された最新の研究成果に基づき、私が実際に経営や教育などの現場で実学として試して、効果を実感できたものを厳選しています。つまり、あなたはわざわざどれが効果があるか、と迷う必要がありません。

ポイントは、いかに脳の神経伝達物質「ドーパミン」を大量に分泌させるかです。ドーパミンは楽しいことをしたり、ワクワクしたり、時間が制限されてテンションが上がっていたり、成功体験をしたときなどにたくさん分泌されます。

思考力をつかさどる脳の前頭前野にドーパミンが作用すると集中力や、やる気が高まることがわかっており、これが継続するといわゆる「フロー状態」になることができます。究極の集中状態です。また、ドーパミンは海馬や扁桃へんとう体など脳のさまざまな部位に作用するため、記憶力を高めるのにも役立つといわれています。

高速仕事術のノウハウは、いずれもこのドーパミンがドバドバ分泌される手法です。フォーカス力を高めるために、ぜひ実践しましょう。