欠けていたリソースを取り入れ、努力を重ねた
アラジン・トースターは、千石がグラファイトの技術を活用し、その価値を引き出すモノづくりの能力を有していることから生まれた。とはいえ、よいものを生産するだけでは足りない。市場をつくるには、顧客の立場から価値の問題に向き合うことが重要だ。
千石では、営業企画担当者が前職の経験を生かして、この課題に挑んでいた。OEM企業が自社ブランド構築に乗り出していくには、欠けていたリソースを取り入れ、活用していく必要がある。千石は、技術、ブランド、そして人材を外部から入手してうまく組み合わせ、さらに付け焼き刃に終わらせない努力を重ねることで、アラジン・トースターの市場をつくり出していた。
ブランド経営への転換には、見栄えのいいホームページやPR動画の作成といった表面的な活動にとどまらない、経営の深い部分からの取り組みが必要なことを思わされる。