いまコオロギ食がブームになっている。ライターのトイアンナさんは「コオロギ食は大手食品会社も販売しており、専門レストランは連日満席。“知ってるけど、ちょっと新しい”というヒット商品の条件も備えている。これからさらにブームになっていくだろう」という――。

大ヒットしているコオロギ食

コオロギは、おいしい。

という話を聞いて「ふーん、食べてみようかな」と思う日本人は、少数派だろう。

むしろ「ええっ」「そうなんだ……」と引きつった笑顔で対応する方のほうが、多いのではないだろうか。筆者もそうであった。しかし、コオロギを食べて世界は一変してしまった。

コオロギを食べるといっても、道端でコオロギを捕まえるわけではない。食用として、人間向けにコオロギは流通しているのだ。代表的なものに、無印良品の「コオロギせんべい」がある。

実はこのコオロギせんべい、大ヒット商品として完売し、店頭でも売り切れが続いている。日経TRENDYが発表した「2021年ヒット予想ランキング」(*1)でも、コオロギ食品がランクインするほどだ。これまでにない「昆虫食」ブームが始まろうとしている。

敷島製パン(Pasco)でも2020年に食用のコオロギパウダーを使用したパン・菓子を販売したところ、わずか2日で完売(*2)。今年も再販予定となっている。

コオロギのフィナンシェ
画像=敷島製パン株式会社
コオロギのフィナンシェ

コオロギは、実は栄養価に優れている。100gあたりのタンパク質はコオロギ60.0gと、実に6割を占める。ちなみに鶏肉が23.3g、牛肉は21.2gしかタンパク質がない。地球で人口爆発に伴いタンパク質の不足が叫ばれる中で、この質量は魅力的な数字だ。

(*1)パワポまとめ「2021年ヒット予測ランキング」日経TRENDY
(*2)【再販】発売開始2日で完売!食用コオロギパウダーを使ったフィナンシェとバゲットを2021年1月18日より再販開始