「『第4波』到来は予想外だったとは言えまい」と読売社説

4月16日付の読売新聞の社説は「コロナ『第4波』 自粛を促すだけでは不十分だ」との見出しを掲げ、こう指摘する。

「3月21日に緊急事態宣言を全面解除した時点でも、感染は十分に収まっておらず、リバウンドは避けられないと危惧する声があった。新年度を控えて人の移動が増える以上、早期の『第4波』到来は予想外だったとは言えまい」
「感染集団の発生は、飲食店だけでなく、職場や高齢者施設、学校にも広がっている。このところ、重点措置が適用された地域でも人出は大きく減っていない」

「第4波は予想外でない」「人出が減らない」「自粛だけでは足りない」と産経社説と同様に読売社説も政府に手厳しく当たる。

読売社説は「このまま感染拡大に歯止めがかからなければ、再度の緊急事態宣言発令も視野に入れなければならないのではないか」と緊急事態宣言も求める。

そもそも蔓延防止等重点措置と緊急事態宣言とはどこがどう違うのか。蔓延防止等重点措置の方は、都道府県内の特定地域に限って防疫の網をかけられるというが、沙鴎一歩の目には同じものに映り、屋上屋を架したものにすぎないと思う。政府や行政は昔から「屋上屋」が好きなのだ。

朝日社説は「吉村洋文知事の責任は重い」とまで批判する

4月16日付の朝日新聞の社説はその中盤で「大阪が短期間でこれほどの窮地に陥った原因のひとつに、感染力が強いとされる英国型変異株の拡大があるようだ」と指摘し、こう書く。

「結果として、このような事態を招いた吉村洋文知事の責任は重い。昨年秋以降の第3波のときにも深刻な医療危機に直面しながら、その後どこまで有効な手立てを講じてきたか。追って検証が必要となろう」

「知事の責任は重い」とまで糾弾するところに行政批判が好きな朝日社説らしさがにじみ出ている。問題はこうした行政批判が社会の不安を煽ることにつながることだ。新聞社説はその点を十分に考慮して筆を進めてほしい。

朝日社説は政府にも「菅首相の認識と対応にも大きな疑問符がつく」とその矛先を向け、こう指摘する。

「14日の参院本会議で首相は『全国的な大きなうねりとまではなっていない』と述べ、第4波到来との見方に否定的な考えを示した。ところが15日になって、政府は首都圏3県と愛知県に新たに『まん延防止等重点措置』を適用する方針を決めた」
「国民が戸惑い、不安を感じないか。訪米、さらには東京五輪開催に影響が出ないよう、状況をことさら小さく見せようとしているのではないか。そんな疑いすら浮かぶ」

こうした朝日社説の指摘はさほど外れてはいないと思う。だがメディアが行政や政府の感染防止策を批判すればするほど、私たち読者の不安感や危機感は増す。やみくもな批判ほど怖いものはない。

新型コロナは変異を繰り返しながら今後ますます、人の社会に入り込んでくる。前述したように、そんな感染症には戦って駆逐や封じ込めをしようとするのではなく、コントロールと共存が必要であることを忘れてはならない。

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