作家の仕事は儲かるのか。『小説家になって億を稼ごう』(新潮新書)を出した作家の松岡圭祐さんは「出版不況と呼ばれる状況でも年収億超えの作家が普通にいる。YouTuberよりも小説家のほうが確実に儲かる」という――。
机で本を読む若者
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現実に小説家の富豪は大勢いる

今からYouTuberになって儲けるのは難しいと言われます。一方、同じくひとりで創作に勤しむ「小説家」という職業があります。

出版不況もあり、本が「売れない」「儲からない」という嘆きを、業界内からも耳にします。もはや専業作家など成り立たないとも言われます。文章表現だけを武器に、読者の感情を動かそうとする小説は、時代遅れなのでしょうか。

これは事実ではありません。書店をめぐってみましょう。「○百万部突破!」という帯のなんと多いことか。売り上げ上位の小説家は億単位の年収を稼ぎます。氷山の一角と囁かれがちですが、それはどの業種でも同じではないでしょうか。現実に小説家の富豪は大勢いるのです。

税金抜きで簡単に計算してみます。一冊2000円の単行本なら、50万部で著者に1億円が入ってきます。文庫を年間3冊出した場合でも、最近の文庫は高額ですから、価格800円で印税10%として、それぞれ42万部売れていればよいのです。3作がシリーズであれば、さほど珍しいケースでもありません。

しかも昨今では、紙の本がそこまで売れる必要がないのです。電子書籍の購買者数は年々伸びています。印税率は紙の本より高めであり、15%以上に設定されます。ネット書店で在庫切れを起こさない電子書籍は、昼夜問わず誰かにクリックされるたび、その場でお金を生んでくれます。

対するYouTubeの場合、一回の再生により得られる広告収入を0.05円とし、それだけに限って計算してみると、億を稼ぐには実に20億回の動画再生が必要です。収入を目的とした場合、本の売り上げの方が現実的な数字なのです。