どうすれば腹筋を割ることができるか。フィジカルトレーナーの清水忍さんは「『腹筋トレーニングさえやっていれば腹筋は割れる』と考えている人がいるが、それは間違いだ。食事制限と有酸素運動で脂肪を落とさなければ、腹筋を割ることはできない」という――。

※本稿は、清水忍『ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

部屋の中でトレーニング
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腹筋はカチカチに硬く固めれば良いわけではない

腹筋――。

筋トレをする人は数知れないが、トレーニング愛好者の誰もが例外なく「こだわり」を持っている場所はやはりここなのではないか。最近では、「腹筋タテ割れ」「シックス・パック」「腹筋カチカチ」「腹筋鉄板状態」といったように、「鍛えられた腹筋」を称賛する言葉もよく耳にするようになった。

実際、「腹筋を割りたいんですけど」という理由でトレーニング指導を申し込んでくる人も少なくない。おそらく、「硬そうな腹筋」「タテ割れした腹筋」というのは、たくましさや強さの象徴なのだろう。

腹のたるみは何かと目立つ。やわらかくたるんだ腹や大きく突き出た腹の持ち主にしてみれば、はがねのように硬く鍛えられた腹筋は一種のあこがれでもある。そういう“他人からあこがれられるようなたくましさや強さ”を象徴する部分だからこそ、トレーニングを志す人は、腹筋を鍛えることにこだわりを持ち、こぞって力を注ぐようになっていくのではないだろうか。

腹筋を鍛えること自体はすばらしいことであり、ぜひ取り組んでほしい。しかし――。

腹筋はただやみくもに鍛えればいいというものではない。また、ただカチンカチンに硬く固めさえすればいいというものでもない。