子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、どうすればいいか。教育研究者の山崎聡一郎さんは「『行かなくてもいい』と伝えても解決になるとは限らない。より多くの選択肢を提示することが大切だ」と説く――。
※本稿は、茂木健一郎・信田さよ子・山崎聡一郎『明日、学校へ行きたくない 言葉にならない思いを抱える君へ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
不登校の理由の多くは「よくわからない」
「学校に行きたくない」という気持ちは、とても複雑です。大人は「学校に行きたくない」と聞くと「友だち関係で悩んでいるのかな」「勉強についていけないのかな」「学校でいやなことがあったのかな」と原因を探ろうとします。しかし、原因が説明可能である場合は解決策も見つけやすい分ラッキーで、原因不明の不登校は少なくありません。
日本財団が2018年に行った「不登校傾向にある子どもの実態調査」では、まず大人に対して事前調査を行い、本調査は中学生本人を対象として学校に行きたくない理由を調査しています。この調査で、多く回答されている理由は「朝、起きられない」「疲れる」「学校に行こうとすると、体調が悪くなる」「自分でもよくわからない」「学校に行く意味がわからない」といったものでした。