いじめ体験とそこから再生したきっかけを2分間で語る。この動きは世界中のテレビ局に広がり、大きな反響を呼んだ。このたび、2分間に収まらなかったインタビュー内容が『FACES いじめをこえて』(KADOKAWA刊)として書籍化された。同書より、小中高一貫教育の学校で壮絶ないじめに遭ったTOMOKOさんの体験談をお届けする――。
いじめが始まると抜けにくい「一貫校」地獄
お昼休み、いつものように、一緒にお弁当を食べている子たちに加わろうとしたら、みんなが、ふっと違うところへ行ってしまったんです。そのとき、ひとりの子が振り向いて、ちょっと申し訳なさそうな顔をしました。その顔は今もはっきりと覚えていますね。それまで仲の良かったグループから始まった無視は次第に広まり、クラスのほとんどの子から口をきいてもらえなくなりました。中3の終わり頃のことでした。
小中高一貫の学校だったので、高校でも状況はそのまま。学校に行っても、誰とも口をきかないで帰ってくる毎日でした。クラブ活動でも、活動日を私だけ教えてもらえなかったり、絶対にできないようなことを押しつけられ、失敗すると、みんなの前で非難されるということが繰り返されました。
「自分がおかしいんだ」始まった自己否定
小学校から通っていた学校だったので思い入れも強かった。すごく大事にしていた世界だったので、そこで自分が全否定をされているような気持ちになりました。なぜこんな目に遭うのか、という問いから行き着いたのは、“自分がおかしいんだ”という思いでした。それがつらかったですね。
突然、学校をサボった日があったんです。もう行けなくなってしまったんですよね。街なかで時間をつぶし、家に帰ってきたとき、「学校から連絡があったけど、今日、どうしたの?」と母に訊かれ、そのとき初めていじめのことを打ち明けました。
そのあたりから、学校にはほとんど行けなくなってしまったのですが、行かなければ単位は取れない。けれど高校2年のときには、うつ病と摂食障害が酷くなり、日常生活を送ることさえ厳しい状況でした。高2の終わりに退学を決め、東京から関西の学校に転校しました。