30台半ば以降は要注意。口腔ケアで年間100万円の出費も

そうはいっても、普通に歯磨きをしているだけで、虫歯にはなっていない。そう考える人も日本では少なくありません。ただ、これがだんだん年を経てくると、問題が出てくるのです。

20代ではなんともなかった人が、30代も半ばを過ぎたあたりから、虫歯や歯周病に悩まされ始めるケースは少なくありません。そのケアだけで、年間100万円も出費がかかったという人もいます。

そしていまや人生百年時代と言われており、定年もどんどん後ろ倒しになってきました。70歳を過ぎても現役で仕事をする人も増えてくるでしょう。そのときに歯がガタガタだと、思うような仕事もできなくなります。歯に関する時間とお金もかかりますし、パフォーマンス低下要因にもなります。

またさらに最近では、歯周病と認知症の関係も指摘されています。60代、70代でも元気に働き続けるために、ビジネスパーソンにとって若いときからのオーラルケアは欠かせなくなってきました。

フロス、歯ブラシ、マウスウォッシュ
写真=iStock.com/supermimicry
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口の中の清潔を保つための3つのアイテム

その1 タフトとフロス

口内環境をベストな状態にしたいけれど、何を使えばいいのかがわからない。そんな相談もよく受けています。そこで歯ブラシ、歯磨き粉以外にも、ぜひ使ってほしいアイテムがありますのでご紹介します。

一つ目が「タフト」です。これは歯ブラシですが、一般的なブラシと比べとても小さく、歯の1本1本を丁寧に磨くことができます。

そしてフロスや歯間ブラシといった歯間を清掃する用具もお勧めです。オーラルケア先進国のスウェーデンでは、フロスの使用は当たり前です。「排水管のぬめり」と表現されることもある歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは絶対に取れないからです。

日本では、まだまだフロスの使用は当たり前にはなっていませんが、1日も早くこれが普通に一般家庭で使われるようになってほしいものです。

その2 電動歯ブラシ

私自身も使っている電動歯ブラシも、お勧めアイテムです。使ったことのある人はご存じですが、とても気持ちがいいのです。逆に使ったことがない人は、痛いのではないか、と想像されるようですが、痛くなるようには使いません。

電動歯ブラシには、使い方があるのです。使い方をレクチャーされずに、普通の歯ブラシを使うように使っていると、当て過ぎになってしまいます。これでは痛みが出たり、歯磨きがストレスになったりする。

そうではなくて、「触れるか触れないか」くらいの微妙な距離感で使うのが最も気持ちがいいのです。押しつけてはいけません。また、ブラシは電動だと傷みやすいので、早めに新しいものに交換していきます。「触れるか触れないか」くらいで磨いていくと、血流促進効果、マッサージ効果もあって、とても快適です。

安いものだと5000円くらいから、最高級モデルは4万円くらいのようです。使用したことがない人は、まずは1万円から2万円くらいのもので十分です。