病気にならないためにはどうすればいいのか。『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)を出した生活習慣病の専門医、青木厚氏は「そもそも一日3食しっかり食べることが間違いだ。1日16時間、何も食べない時間を設けることが大切だ」という――。
日本の食卓
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです

一日3食では、内臓は十分に休むことができない

食事のあと、食べものが消化されるまで、胃の中に滞在する時間は平均2~3時間、脂肪分の多いものだと4~5時間ほどと言われています。小腸は、胃から送られてきた消化物を5~8時間かけて分解して、水分と栄養分の8割を吸収します。そして大腸が、小腸で吸収されなかった水分を15~20時間かけて吸収します。

このように、私たちが食べ物を口に入れたあと、胃腸は何時間も働き続けます。

一日3回、食事をとると、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食まで6~7時間程度となります。つまり、前の食事で食べたものが、まだ胃や小腸に残っているうちに、次の食べものが運ばれてきてしまうことになるのです。

これでは、胃腸は休むひまがありません。どんどん疲弊していきます。くわえて、年齢を重ねると、消化液の分泌も悪くなり、胃腸の働きが鈍くなるため、ますます消化に時間がかかるようになり、胃腸も疲れやすくなります。

私たちは、ほとんど常識として、健康な体をつくるためには一日3食しっかり食べなければならないと教わってきましたが、実は、「一日3回の食事」は、内蔵を休ませず、体にダメージを与えていたのです。

「胸やけ」「胃もたれ」「食欲不振」は、胃が疲れているサイン

「一日3食」を続けていると、胃腸が疲れて、消化機能が衰えると、体にさまざまな不調が現れます。

消化機能が衰えると、まず、食事から十分な栄養分を摂ることができなくなります。一日3食きちんと食べているにもかかわらず、エネルギー不足になってしまうのです。そうすると、疲れやすくなったり、体がだるくなったり、肌や髪のコンディションが悪くなったりします。