コロナ禍でメディアをとりまく環境は大きく変わりました。いまプレジデントオンラインはどんなサイトを目指しているのか。2019年に入社した編集者が、星野貴彦編集長にインタビューしました――。/聞き手・構成=プレジデントオンライン編集部・内藤慧
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オンラインメディアはどう変わった?

——星野さんは今日、自宅ですよね?

自宅です。2021年1月に2回目の緊急事態宣言が出てからは、原則リモートワークとしています。編集長が率先して出社しないことで、編集部員に出社する必要がないことを伝えようと思っています。

自宅でのリモートワークの様子
撮影=宇佐美雅浩
自宅でリモートワークする星野貴彦編集長

——新型コロナウイルスの感染拡大で世の中は大きく変わりました。この1年間、メディア業界でも変化が起きたと感じる点はありますか。

世の中が変わったというより、すでに変わりつつあった部分がよく見えるようになったのだと受け止めています。リモートワークがいい例ですね。オンライン会議のツールは整っていました。でも、だれもがあたりまえのように使うことになった。やってみれば、オンラインでも十分やれる。他方で、オンライン飲み会のように、やってみたけれどイマイチ、ということも見えてきました。

そして、メディアの世界に関していえば、それぞれのメディアの「似ているところ」と「違うところ」も、一層はっきりと見えるようになったと思います。

——どういうことでしょうか?

プレジデントオンラインはプレジデント誌のオンライン版として誕生したメディアです。そのため「ビジネス誌」を母体としたオンラインメディアを競合として意識してきました。例えば東洋経済オンライン、ダイヤモンドオンライン、日経ビジネス電子版といったサイトです。

しかし、ビジネス系の話題が読者の関心を集めることが分かると、われわれと似たような切り口でビジネス情報を出すサイトがほかにもどんどん増えてきました。そうしたサイトから出る記事は、グーグルやヤフーといったプラットフォームで並べられ、われわれと匹敵するような存在感を示すようになっています。競争相手は雑誌業界とは限らないわけです。

そうすると、「タイトルが似てくる」ということが起きる。読者の方も感じているかもしれませんが、同じプラットフォームで競うようになると、同じ読者を奪い合うことになるので、「勝ち筋」が決まってきてしまうのです。タイトルが似るということは、切り口や書き手も似てきます。

プレジデントオンライン編集部
撮影=宇佐美雅浩
プレジデントオンライン編集部の様子。いまは原則リモートワークなので、こうやって集まるのはひさしぶり