コロナ禍で「ステイホーム」を求められても、不倫相手と会うことをやめられない人たちがいる。夫婦問題研究家の岡野あつこ氏のもとに届いた、3つの相談事例を紹介しよう――。
オフィスの窓から高層ビル群を眺める女性の後ろ姿
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当初は「夫婦間のストレス増加」の相談が多かったが…

新型コロナウイルスの影響で生活が変わりはじめて1年がたとうとしている。その間、夫婦問題の相談件数は右肩上がりに増えている。注目すべきは、相談内容にも変化があったことだろう。コロナの影響で新しい生活がスタートした当初、生じた夫婦問題の多くは、ステイホームによる夫婦間のストレスの増加に原因があった。

ところが最近の相談案件で目立つのは、コロナ禍でのパートナーの不倫について。つまり、人との接触を可能な限り避けるべき時期においても、「パートナーが不倫の相手と会うことをやめない」という問題が表面化しているのだ。

実際、「ウィズコロナ」の新しい生活スタイルになった今でも変わらず不倫を続けているパートナーを持つ人からの相談にはこんなケースがある。

「コロナで忙しくなった」と帰りが遅くなった

【CASE1】在宅勤務になったことを隠し続けていた夫

「夫の不倫が続いていたと知った時は、悲しみというより怒りしかありませんでした」と話すのはAさん(37歳)。4歳年下の夫とは、結婚後も二度ほど不倫が原因で離婚寸前までもめたものの、二度とも「不倫相手とは別れる。離婚はしたくない」と懇願され、Aさんが折れる形で夫婦関係を修復する道を選択。それが去年の年明けのタイミングだった。

その後間もなく新型コロナウイルスの問題が本格化し、夫は「緊急事態だから忙しくなった」と毎朝そそくさと出勤し、会社からの帰宅も以前より遅くなっていた。Aさんも、夫が平日はほぼ不在の生活に慣れ「それはそれで楽でいい」と思っていたという。

夫の不倫に気がついたのは、Aさんも知っている夫の親友のSNSを眺めていた時のこと。「親友の彼女の家で鍋パーティー」という新年会の写真に写りこんでいたのは、親友夫妻と夫、そして年末に別れたはずの夫の不倫相手の女性だった。