まずは美術全集の古書を数千円で買う
名画を鑑賞してもクラシックの名曲を聴いても、何も感じないし、どれも好きになれません。どうしたらいいのでしょう。
たまにそういう声も耳にします。
厳しいようですが、もしそうならそれは、これまでの人生で自分の心に水をやるのを怠ってきた結果です。
でも、そういう人もあきらめる必要はありません。いまから少しずつでも水やりを続けてください。そうすればやがて乾いていた心も潤い、いずれは草木も育つように必ずなるからです。
子どものころ、近所の中華そばや食べたラーメンの味があまり口に合わず、それ以来ラーメンを敬遠してきた人が、いきなり食べログの評価が高い人気店に連れていかれて、さあどうですかと尋ねられても、「はあ、美味しいです」くらいの感想しかいえないでしょう。
けれども、そこからいろいろなラーメン店を食べ歩くようになったら、だんだんと自分の好みもわかってきて、そのうち「私はあの店の豚骨ラーメンがいちばん好き」と自信をもって断言できるようになるじゃないですか。
アートもこれと一緒です。まずは、自分が好きなのはこれと堂々いえるようになるまで、意識して味わう機会を増やすのです。
それができるようになったら今度はそれを言葉にしてみましょう。自分の中で起こった感情の変化を言語化する訓練をするのです。
これを習慣化すると、アート思考は確実に鍛えられていきます。
何から始めたらいいか迷っている人には、美術全集がお薦めです。古本であればメルカリでは数千円で買えますから、それを手元に置いておいて、暇なときに眺めてください。
美術館で本物を見なければ意味がないなどということはありません。気軽にアートにアクセスできることが重要なのです。
※プレジデント社は、本稿でも触れた「アート思考」を実践的に学べるアート思考オンラインプログラムを開催しております。興味関心をお持ち頂けた方は、アート思考オンラインプログラムで検索頂けますと幸いです。