「正しく見る」とは、現実をしっかり受け入れるということです。現状のレベルが低すぎて目標達成にはほど遠く思えても、KPIのような段階ごと、必要な要素ごとの目標を設ければ一つずつクリアしていけるかもしれません。プロセスを適正に設定するためにも、現状から目を背けず、ごまかさずに見ることが大事です。
逆にいえば、現状把握が曖昧だったり、自分や組織に都合よくとらえたりしていては、現実に則したプロセスを考えることができません。最終目標も達成できない可能性が高まってしまいます。
カーナビとは違い「現在地」は自分で知る必要がある
「あるべき姿」と「現状」を把握することをもっと簡単に言えば、カーナビをセットするようなものです。自分はどこへ行きたいのか、ナビを使うときにはまず、「目的地を設定」します。このとき、「現在地」はカーナビではGPSが自動で検知して表示してくれます。
ところが、ビジネスやトレーニングでは、現状把握は「自動で」とはいきません。自力で正しく見る必要がありますが、特にトレーニングでは、ここができている人が少ないように感じます。
トレーニングに必要な現状把握とは、今の体重や体脂肪率などの数値だけではありません。ダイエットや筋力アップを目指す人の中には、ときには体重しか見ていない人や、目標についても、
「体重△kgになりたいから、◯kg減らせばいいわけか」
と単純に考えているケースもあります。
本当はもっと考えるべきことがあります。具体的にどんな身体になりたいのか、どのように動ける身体がいいのか、つまりその身体で何をしたいのか、どんな仕事の仕方や生活をしたいのかといったことです。
「叶えたい望み」は人によって違う
トレーニングの目標に仕事や生活のことまで関係するのか?
そう思う人もいるかもしれませんが、ちょっと考えてみてください。自分の仕事はスタミナ勝負で身体を使う仕事なのか、それともデスクワーク中心なのか、単純にこのことだけでも、必要な体力や機能は異なります。
仕事を離れたプライベートでも、休日は小さな子どもと思いっきり遊びたいのか、趣味のスポーツで成績アップしたいのかなど、人それぞれライフスタイルや叶えたい望みがあるはずです。