2度目の緊急事態宣言が発出され、その対象となる地域の数も増えている。行動が大きく制限される日々がしばらく続くことになる。『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』がベストセラーになった福山市立大学名誉教授の藤森かよこさんが語る、こんな時代に必要な2つの能力とは――。

※本稿は藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

キッチンで朝食を準備する若い女性
写真=iStock.com/recep-bg
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幽閉的な日常生活を楽しめないと気が狂う

近未来は大恐慌だの食糧危機だの戦争だの厄介なことばかりが起きそうであるので、生活苦は覚悟しておこう。雇用が収縮する近未来においては、ショッピングや物見遊山の類の気晴らしをする余裕はない。自分の目の前にあるもの、自分の暮らしの範囲にあるもので創意工夫して生きるしかない。

実際のところは、いまだに世界中でコロナは暗躍している。このコロナ危機が終わるのは2022年頃になるという予想もある。

コロナのみならず他の感染症拡大も起こり得る。それが何回も襲来すれば、日本でも外出自粛や休業要請が繰り返される。

ウイルス騒ぎばかりでなく、第三次世界大戦とまではいかずとも、軍事衝突があり、局地的にでも核ミサイルが使用されるかもしれない。生物化学兵器戦争やサイバー戦争の現代には使い道のない核兵器だが、使ってしまう馬鹿はいるかもしれない。そのために放射性物質で大気が汚染され、それが理由で外出制限される可能性もある。

そうなると、幽閉ゆうへい的な日常生活そのものを楽しめないと精神的におかしくなる。日々の暮らしというルーティンを楽しめる感性をつちかわないと時間が無駄に過ぎる。

生活はますますシンプルに

今回のコロナ危機により、ただでさえシンプルな私の生活は一層にシンプルになった。街歩きをしなくなった。外食しなくなった。料理したくないときは、マーケットに行き、生鮮食品の買い出しついでに、できあいの総菜そうざいを「そそくさ」と買って食卓に並べた。マーケットに行く回数は最低限。なるたけネット通販を利用した。友人知人との会食もなし。

そうなると、食材買い出しのような外出ともいえないような外出が、非常に新鮮に感じられるようになった。近所への外出そのものが「リゾート」になった。