結果的に私は左目の視力が0.2、右目が0.1と完全に近視になるため、母親のあの教育は一体何だったんだオラ、と思う。ただし、本や漫画は読むことは許されていたため、『北斗の拳』や『キン肉マン』といった週刊少年ジャンプに掲載された作品はすべて読んでいたし、子供にとって主要な本はほぼ全部読んでいただろう。

同級生に「おっくれてる~」といわれる屈辱感…

小学4年生の時、担任の教師は「『1班』~『6班』という呼び方はつまらないので、各班、好きなキャラクター名をつけなさい」と命じた。わが班は「アラレちゃん班」となった。班の連絡ノートの表紙には自由に絵を描けることになっていた。小学生というものは残酷なもので、こんな時に何をするかといえば、テレビを見ないことが知られている(さらに、当時はまだジャンプも読んでいなかったので原作も知らない)私に絵を描かせようとしていたのだ。

絵を描く
写真=iStock.com/junce
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そんな私だから、表紙の空白を前に何も描くことができなかった。これが同級生にとっては優越感を覚えたようで、「えぇ~、お前、アラレちゃん知らないの~」「おっくれてるー!」「だっせ~」などとはやし立てる。適当に米菓子の「アラレ」の絵でも描くか、と思ったがそれは私の無知を班替えの次学期まで晒し続けることになるため避けたかった。

そこでその班の良心ともいえる女子生徒が「別にアラレちゃんそのものを描く必要ないじゃん」と言いながら、流れ星の絵を描いた。今、YouTubeで同作のオープニングを見ると確かに流れ星のような演出はあるので彼女はこれを描いたのだろう。

ジブリもドラゴンボールも半沢直樹も見ていません

この屈辱を基に私は家に帰って「お母さんがテレビを見せてくれないからオレは学校で恥ずかしい思いをしたじゃないかよ!」と言うことはなく、相変わらずブームに乗り遅れる人生を送り続けた。社会的には「ブームになった」とされるが、私が触れたことがない作品・エンターテイナーを「ごく一部」列挙する。

◆「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ
◆ジブリ作品全て
◆ディズニーアニメほとんど(たまたま地上波テレビで見た『アラジン』以外全て)
◆ONE PIECE
◆ガールズ&パンツァー(ガルパン)
◆DRAGON BALL、1回目のピッコロを倒した後
◆ラブライブ!
◆マッドマックス 怒りのデス・ロード
◆米津玄師(パプリカ含む)
◆逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)
◆半沢直樹
◆オレたちひょうきん族

お前はじゃあなんのエンタメを知っているのだ? と言われるが、こうなる。