この書評を書くために確認したいことがあって、著者の代表作である『全国アホ・バカ分布考』をまた読み始めてしまった。1993年に出版された本である。単行本と文庫本で合わせて3冊も持っている。もっともお気に入りの本の1冊なのだ。

この本は難解な柳田國男の「方言周圏論」を、『探偵!ナイトスクープ』というバラエティー番組の中で、視聴者の笑いを誘いながら実査したノンフィクションだ。著者はアホとバカの境目が日本地図上のどこにあるのかを、番組用データとして調べていくうちに方言の深淵に気づく。あくまでも視聴者目線で書かれているが、第一級の「言語地理学」の論文でもあった。