芸能人は「年の差婚」が多い?

ナインティナインの岡村隆史さんが、10月22日深夜のラジオ生放送で、自身が結婚したことを報告しました。50歳で初婚の岡村さんに対して、お相手は30代の一般女性と報道されているので、少なくとも10歳以上のとしの差婚となります。

半年ほど前、自らの発言が炎上した岡村さんですが、皮肉にもその出来事がきっかけとなり、落ち込む彼を彼女が支えてくれたとのこと。それが今回の結婚に結びついたようです。ネット上でも、祝福の声が相次ぎ、好意的に受け取られました。中には、「あの岡村でさえ50歳で30代との年の差婚ができたんだから、俺にもワンチャンある」と希望を見いだした同年代の未婚男性もいることでしょう。

マスクをした男性が陽を浴びながら東京の街を歩く
写真=iStock.com/Kayoko Hayashi
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さて、現実はどうでしょうか?

芸能人の結婚報道において、よくこの「年の差婚」が取り上げられることがあります。

確かに、過去においても、俳優の西島秀俊さんは43歳で、16歳下の一般女性と、俳優の福山雅治さんは46歳で、女優の吹石一恵さんと13歳の年の差婚をしました。お笑い芸人の千原ジュニアさんも41歳で、18歳年下の方と結婚されています。

こう書きだすと、芸能人には「年の差婚」が多いイメージを抱きがちですが、それは注目度が高いがゆえの単なる錯覚です。芸能人であったとしても、決して「年の差婚」が多いというわけではありません。

未婚の多さは「若者の結婚離れ」ではない

日本では「未婚化」が進んでいます。2015年国勢調査時点で、男性の生涯未婚率(50歳時未婚率)は23.4%、女性は14.1%で、2040年には、これが男性3割、女性2割に増えると推計されています。つまり、50歳まで未婚のまま過ごす人がそれだけいるということであり、50歳まで未婚の人はその後も結婚する可能性が極めて低いのです。

同時に、晩婚化も進んでいます。皆婚時代だった1970年代と比較すれば、40代以上で初婚の男性の数は増えています。しかし、これは中年男性が結婚しやすくなったわけではなく、単純に昔と比べて40代以上の未婚男性の絶対数が増えたからです。

未婚というとどうしても若者を想起しがちです。「イマドキの若い男は草食化している」などという意見もそれを反映したものでしょう。ところが、それも事実と反します。未婚者は、もはや若者だけではありません。

男性の20~30代の若者未婚数と40代以上の中年未婚数との比率を比較すると、1955年には、若者未婚が中年未婚の44倍もいましたが、2015年ではそれがわずか1.5倍と、その差はかなり接近しています。そのうち、40歳以上の未婚人口が若者未婚を上回ります。

日本の未婚化問題とは、もはや未婚おじさん問題となりつつあるのです。