ゴルフ場の突然死の約75%がグリーン上のパット時…

ゴルフ場で発生した突然死の報告を見てみると、その約75%がグリーン上のパット時、約15%はドライバーでのティーショット時というデータがあります。

パターは、昔から、「1.5メートルのパットがいちばん心臓によくない」といわれます。手ごろな距離のパットは、「外せない」という緊張感や大きなプレッシャーがかかるため、普段とは呼吸が変わって血圧も一気に上がります。また、打つ際にとる姿勢(前かがみの姿勢)も、じつは心臓に負担をかけているのです。

ゴルフやスポーツだけでなく、こうした日常の動作において、心臓に負担をかけることは案外たくさんあります。私の近著『若さは心臓から築く』(講談社ビーシー/講談社)では、そうした注意点を含む心臓との付き合い方をまとめましたので、ぜひこちらも参考としていただければ幸いです。

1番ホールの第1打が危険な理由

さて、ドライバーショットは、「とりわけ1番ホールの第1打が危険」だといわれています。

スタートホールのティーショットですが、寝不足のままウォーミングアップもせずに、いきなりドライバーをフルスイングすると心拍数が急激に上がり、心臓の血管を収縮させて発作を招くのです。

そもそも、ゴルフはプレー前から「心臓発作が起こりやすくなる状況」が整っているスポーツといえます。たとえば、朝早く起きてゴルフ場に出向くことが多いため、普段は高血圧の薬を服用している人が薬を飲むのを忘れてしまい、血圧が高い状態でコースに出るケースも少なくありません。これは、薬で血糖を下げている人も同じです。

また、高LDLコレステロールを薬でコントロールしている人のなかには、ラウンドする数日前からあえて服用を中断する人もいます。コレステロール降下薬は筋肉痛や関節痛などの副作用があるため、スイングに支障を来さないように薬をやめるというわけです。