「コップ一杯の水」は寝る前ではなく、朝起きたときに
■快眠メソッド④ 枕は寝返りが打ちやすい高さに
健康な睡眠において、寝返りは自然と起こるもの。一晩のうちに20~30回、寝返りを打つといわれており、このときに動きを邪魔しないことも安眠のポイントになります。
「眠りが浅い」と訴える人には、高すぎる枕や、頭が沈み込んで固定されやすい低反発枕を使っているケースがよく見られます。もし、眠りに問題がある場合には、枕を見直すことも一案です。
私は寝返りが打ちやすい、低めの枕を推奨しています。新品のバスマットやバスタオルを蛇腹に折って、4センチ程度の高さに調整したものでもよいでしょう。仰向けになってその上に頭を乗せて寝たときに、首や頭に圧迫感がなくて寝返りがラクに打てたらOKです。
■快眠メソッド⑤ 寝る直前の水分は控える
診察室で「眠る前には血液がドロドロにならないように、コップ一杯の水を飲んでいます」と言う方がときどきいます。そういう方のほとんどが、夜中に数回、トイレで目を覚ましています。
私は、「血がドロドロになるよりも、深い睡眠が得られないほうが体に悪いですよ」とお伝えしています。尿意で睡眠が浅くなることもありますが、夜中にトイレに行く途中で寝ぼけて転倒したり、寒い冬の温度差で血圧がスパイクを起こして倒れてしまったりするリスクも高まります。
就寝中に汗をかいて水分が失われるのは事実ですが、就寝前や起床時に排尿があれば、体に害が出るほどの脱水にはなっていないので、安心してください。私たちの体には「ホメオスタシス(恒常性)」という働きがあり、血液中の水分量も一定に保たれるようになっているのです。
もちろん、のどが渇いているのであれば飲んでもかまいませんが、渇きをいやす程度の量に控えたほうが、睡眠の邪魔にはなりません。コップ一杯の水を飲むなら、朝起きたときがいいでしょう。