国家とグローバル企業、富裕層の関係性
彼が本当に逮捕容疑で有罪なのかどうかについては、私は刑事裁判の専門家でないので分かりません。
しかし、むしろ注目すべきは、彼が経営者報酬として豪華なマンションを与えられたり、彼や彼の家族が作った海外の会社に多額の資金が日産自動車から流れ込んでいたりしたということ自体は、逮捕容疑とは直接かかわりのない、合法的なものだったらしいということです。
ゴーン氏の事件は、グローバル企業や富裕層たちと国家の関係について少なからず考えさせるものでした。
今後、税という支柱がたわみ始めている現代の国家がどうなってしまうのか。そして、私たち中間層の崩壊を防ぐためにはどうしたら良いのか。ぜひ皆さんと一緒に考えてみたいと思い、『国家・企業・通貨――グローバリズムの不都合な未来』を書きました。