【ITさん】いずれにしてもZoom会議で意見をはっきり言えるとか、目に見える成果が問われるようになるので成果主義が否応なしに進むのは間違いない。確かに「彼はがんばっている」というプロセスが見えにくくなり、ややもすると短期の成果だけに目を向けがちになる危険はある。そこはうまくやるしかないが、日本の企業はあまりにも成果に注目するのが弱すぎたと思う。在宅勤務中心の働き方では成果を重視しなければいけない。
経営陣の本音は在宅勤務反対!
――在宅勤務中心の働き方もさまざまな問題と課題を抱えていますが、今後も続けていきますか。
【サービスさん】コロナが収束しない限り、しばらくは続けるしかない。ニュージーランドのように勝利宣言が出れば別だが、会社としては社会的責任を問われるので完全に緩和するのは難しい。今の働き方についてこれからアンケートを取るが、在宅勤務になって仕事もライフも絶好調だという社員もいれば、仕事がはかどらないという在宅に不向きな社員がいるのは確かだ。
【建設さん】当社もできるだけ継続していくことにしている。在宅勤務については正直言って2つの反応がある。お客さんを含めてやはり直接会って顔色を見ながら打ち合わせをしたほうがいいし、説明しやすい。家で仕事をしていると、結局自分でやる仕事が増えてストレスがたまるという人。もう1つは、いちいち出社したり、出向いてやるのは効率が悪いので家でやるほうが助かるという人。仕事の内容や本人の仕事のやり方で違う。
【広告さん】在宅勤務は経営陣の本音としては絶対にやりたくなかっただろう。でもコロナでやらざるをえなくなったが、通信環境が整備され、ペーパーレス化すれば会社にとってもメリットがあると気づいた経営者も多いのではないか。実際にフリーアドレス制や一部のオフィスを解約して賃料を削減する動きも出ている。とくに子供を持つ社員には好評だ。人材を確保するには有効だし、元に戻ることはないと思う。
【ITさん】当社はリモートワークなどの需要で事業は成長しているし、逆に推進していく立場だ。問題はそれに社員がついてこられるかどうかだ。とくに働かないオジさんはますます働かなくなっている。自粛中に家で何をやっていたのかわからない人ほど、出社するとここぞとばかりに上司へのアピールがすごい。部長席の共有スペースに陣取って「部長、こんなアイデアを考えたんですよ」と、周囲の耳にも入るように話す。聞いていても、たいしたアイデアではないことがわかる(笑)。
【サービスさん】仕事をするふりをしていた人や飲みニケーションやゴルフのつきあいで生き残ってきた人たちはますます辛くなるね。当社も業績が低迷し、経営から固定費削減を命じられているが、希望退職募集となったら真っ先にターゲットになる人たちだ。