このままでは明るい未来は見られないだろう
むしろ、知事レベルで言うならば最高の評価が与えられても良いのは岩手県だろう。達増拓也知事がどれだけ貢献しているのかは未知数だが、「政治は結果」として見るならば、7月29日まで都道府県で唯一「感染者ゼロ」だった岩手県は素晴らしい。達増知事は記者会見で「第1号になっても責めない」と語っていたが、盛岡市出身で都内在住の20代女性は「地元には高齢者が多く、祖父母らにうつしてしまう可能性があるから帰ることができない。4連休も夏休みも東京にいる予定」といい、県民の協力が「ゼロ」につながっていたことがうかがえる。
3月の3連休は「連休前に外出自粛要請しなかったのはけしからん」と批判したコメンテーターは今や、7月の4連休前には「国のキャンペーンもあるのでどんどん観光地に行ったら良い」と吐くようになった。メディアの無責任体質は今に始まったことではないが、いまだ何を基準に行動をどれだけ変え、ウイルスに備えれば良いのか分からないままだ。「陽性者数が過去最多になった」との報道が垂れ流され、マスクを着けずに歩いている人は「何、この人」と思われる日本。明確な基準を設けることもなく責任回避に躍起となる国家と、数字に踊らされる国民。いまだ、この先に明るい未来は感じられない。