「糖質制限」では主食より気をつけるべき糖がある
夏を迎えて薄着の季節となり、二の腕やおなか回りのぽっこりが気になるかもしれない。同じものを食べても若い頃は太らなかったのに……と感じているなら、その感覚は正しい。食べたもの(摂取エネルギー)が変わらなくても、エネルギー消費量が加齢とともに低下しやすいのだ。
『38歳からはじめたい リカバリー美容事典』(朝日新聞出版)など、アンチエイジング関連の著書を多く持つ吉木伸子医師(よしき皮膚科クリニック銀座院長)によると、「年とともに体内で糖を燃焼しにくい体になる」という。
「ダイエットというと運動で、体を動かすと脂肪やカロリーが燃焼するというイメージがあるでしょう。間違いではないのですが正確ではありません。体を動かして最初に燃焼するのは、脂肪ではなく血液中にある糖(=血糖)なのです」
血糖は筋肉や脳を動かす、車でいうと“ガソリン”の役割を果たしている。運動するとまずは血液中の血糖が燃焼し、血糖値が下がるのだという。しかしあまりに血糖値が下がると倒れてしまうため、その手前で、体はほかのところから血糖を補おうとする。それが肝臓の中にあるグリコーゲン。“糖のもと”である(そう、一粒で300メートルと打ち出した、あの栄養菓子の由来はここからきている)。そしてグリコーゲンを使い尽くすと、やっと脂肪燃焼という流れに。