1月、中国からの訪日客は前年同月比22%増の92万人
精いっぱい表現を選んだつもりだが、今となってはもう少し強く言えなかったのかという悔いも残る。とはいえ、1月下旬の時点では何を言っても無駄だったろう。日本政府の認識はかけ離れたところにあったからだ。1月23日時点の橋本副大臣のツイートを再掲しよう。
「ある国からの渡航を禁止したらいいというのは、例えば仕事などでたまたまその国に親兄弟配偶者娘息子がいる人にとって、とても辛く悲しく場合によっては残酷な手段であることにも想いを致した方がよいのではないでしょうか。冷静に、リスクに見合った対策を常に考えていたいと思っています」
「冷静に、リスクに見合った対策」。残念ながら新たなリスクに対する想像力が、担当副大臣には十分ではなかったようにみえる。
1月の1カ月間で中国からの訪日客は前年同月比22%増の92万人にのぼった。習近平政権が中国からの団体旅行禁止の措置を打ち出したのは1月27日。それまでに春節の観光客は次々と日本の土地を踏み、東京、京都、北海道と、冬の日本の観光を満喫していた。日本側の対応といえば、空港や百貨店や飲食店の接客担当が顔にマスクを着用するくらいだった。