なぜか発生地の中国ではなく日本の写真が使われた

テドロス事務局長の出身国エチオピアそしてテドロス氏と中国との深い関係については、WBSのニュース解説で重ねて指摘し、1月31日に配信したYouTube配信番組「相内ユウカにわからせたい!」でも詳しく述べた。WHOのホームページの添付写真について、発見の経緯に触れておこう。

「ひょっとして成田空港?」。そんなメールはエコノミストの鈴木敏之氏からだった。空港を見る目など肥えていないだけに、一瞬戸惑った。だが明らかにおかしい。2月1日の午後1時39分にこうツイートした。

〈WHOの緊急会合:添付写真の「選択眼」、北京や上海の空港には見えない。
写真左のグリーンの公衆電話はNTTのようにみえる。成田空港だろうか。新型肺炎で中国の写真を使わないなら、いかにも忖度。日本の空港の写真だったら、日本政府は厳重抗議すべきだろう〉

そう記した。その直後にツイートを見た方から、疑問を裏付ける連絡があった。そこで2月1日の午後2時4分にこうツイートした。

〈WHOの緊急会合の添付写真:発生地の中国の写真を避け、日本の成田空港を使用。
ご覧頂いた方から、以下の写真をご教示頂きました。NARITA,JAPAN-JANUARY24とあるGettyの写真です〉

Gettyは米国の写真配信サービスだが、写真のキャプション(説明文)には「NARITA,JAPAN-JANUARY24」とある。だから、この写真をWHOのホームページに載せたのは、よく知っていたうえで中国の空港を避けたとしか思えない。

「国際機関は理想主義的で中立的」は幻想である

多くのリツイートがあった。それでも、日本政府が抗議に動いた様子は見られなかった。成田空港の写真が使われ続けていたからだ。そこで「大機小機」の文章となった。すると、WHOが何と前触れもなくホームページの写真を差し替えた。都市名が特定できないような人々が行き交う交差点の写真である。

差し替え前の写真については、ホームページの「魚拓」を取っておいた。そしてWHOの写真問題の経緯は、2月7日のWBSで「魚拓」とともに解説した。折しもネット上では、テドロス事務局長の解任を求める署名が30万人を超えていた。世界中の人々がいら立ちを覚えていたからだろう。だが今も、彼は依然として事務局長の地位に座り続けている。

WHO問題にこだわったのは理由がある。日本の世論やメディアは国連に代表される国際機関に対して、理想主義的で中立的な機関という幻想がある。現実には中国がマネーの力にモノを言わせて、国際機関を傘下に入れている。その現実を伝えたかったのだが、それに加えて日本政府のコロナへの評価、判断、対応がWHOへのあなた任せになっている現実があったからだ。