課税対象になる3つのパターン

所得税法は、どんな手段を使ったとしても、“もうかった人には税金を納めてもらいましょう!”という考え方が根底にある。競馬で万馬券が当たっても課税されるし、パチプロだって、それで生計を立てているのなら税金を払う義務は発生している。非課税所得にうたわれているもの以外は、原則として税金がかかると思って間違いない。

仮想通貨も例外ではない。仮想通貨の誕生は、2008年と言われているが、国税庁は、令和元年12月「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」を発表した。

所得税の課税期間は、1月1日から12月31日だ。個人で仮想通貨を購入した場合は、このルールに従わなければならない。仮想通貨をしている人は、毎年、12月31日23時59分の取引明細を保管しておく必要がある。それは、所得税の計算は12月31日23時59分の時点でいったん締め、計算をすることになるからだ。

仮想通貨が課税対象になるのは、

1.仮想通貨を売却した場合
2.仮想通貨で商品を購入した場合
3.仮想通貨同士の交換を行った場合

主には、この3つとなる。1つずつ解説していこう。

他の仮想通貨に乗り換えたときも課税される!

1.仮想通貨を売却した場合

仮想通貨を売却すると、その時点で所得が発生する。売却したときの価格と取得価額との差額が所得額となる。

「仮想通貨の売却価額」-「仮想通貨の1単位あたりの取得価額」」×数量=「所得額」

取得価額とは、仮想通貨を取得するために要した金額のことをいう。その金額の中には手数料なども含まれる。

2.仮想通貨で商品を購入した場合

仮想通貨で商品・サービスを購入する際は、支払いしたタイミングで所得が発生する。これは仮想通貨を一度売却し、日本円に換金してから商品を購入するという取引と同じ扱いになるからだ。そのため、支払いに利用した仮想通貨の時価が購入時よりも上がっている場合はその差額が所得となる。

「商品の価格」-「仮想通貨の1単位あたりの取得価額」×数量=「所得額」

3.仮想通貨同士の交換を行った場合

例えば、ビットコインでイーサリアムを購入するなど、仮想通貨同士の交換であっても所得が発生する場合がある。「2.仮想通貨で商品を購入した場合」と同じように、仮想通貨を一度売却して日本円に換金してから他の仮想通貨を購入するという取引と同じ扱いになるというわけだ。

「購入する仮想通貨の時価」-「売却する仮想通貨の取得価額」=「所得額」