新型コロナウイルスの影響で会社の経営が悪化したら、転職を考えたほうがいいか。経営コンサルタントの吉岡憲章氏は、「社長や上司に、会社の経営状況を教えてほしいと聞いてみるといい。『自分に任せておけ』と答えるようなら転職を考えたほうがいい」という——。
大都市で窓の外を見つめる女性
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今年はコロナに関係なく倒産が多いと予測されていた

4月7日に「緊急事態宣言」が発令され、さまざまなビジネスが大打撃を受けた。5月25日には全国で解除されたが、営業再開は段階的である。

図は中小企業の景況判断DIの推移である(中小企業庁調査2020年第1四半期)。

当然のことだが20年第1四半期(1~3月)の業況判断DI指数は全産業で前期比▲24.4、特に製造業は▲27.4と異常な低さを示している。

これは、このコロナ感染危機に起因するところが大きいが、注目しなければならない点は、2018年第2四半期(4~6月)をピークに“一方的な右肩下がり”を続けていることにある。

よく不況になったのは昨年10月の消費税UPが原因だ、との説もある。しかし、本当は1年半以上前の米中貿易戦争が開戦されたころから中小企業では影響を受け始めていたのである。

このために、もともと2020年は中小企業の倒産が前年より増加すると予測し警戒されていた。ちなみに、この1月から3月の倒産件数は前年の7.0%増加している。

中小企業の業況判断DIの推移