「外出自粛でイライラ」が万病のもとに

“コロナ太り”に陥っていないだろうか。長期化した外出自粛要請によって、それまでの日常からライフスタイルが変化し、家にこもって食べたり飲んだりを繰り返す――。

「コロナが流行した最初の頃は急性ストレスによって交感神経が優位になり、食欲が減退気味の方が多かったのですが、長期化で慢性ストレス→過食になっている方が多く見られます」

管理栄養士の望月理恵子氏がそう指摘する。ストレスが慢性化すると、ストレスホルモンの影響で脂肪がためこまれやすくなるという。

実はストレスは精神的なものだけではない。気候の変化や睡眠不足、騒音、紫外線など、ちょっとした負荷で体はストレスを受ける。“ストレスに強い体”になるにはどうすればいいのか。

食事面では「カルシウム」摂取が重要だ。これは、よくいわれるような「カルシウム不足がイライラを招く」ためではない。なぜなら血液中のカルシウムは、少しでも足りなくなればカルシウムの貯蔵庫である骨から溶け出し、血液中に補充されるからだ。つまり、血液中のカルシウムは常に一定に保たれるように管理されている。だが、長期的にストレスを感じてイライラすると、カルシウムが不足しやすくなってしまう。再び望月氏の話。

「ストレスを受けると交感神経優位となり、副腎皮質ホルモンの分泌が活発になります。そのホルモンの働きが小腸でのカルシウム吸収を妨げ、尿とともにカルシウムを排出させることがあるのです。長期的にカルシウムが溶け出す状況は、骨粗しょう症をはじめ高血圧症、糖尿病などを引き起こす可能性があり、体に悪影響です」