相手の「警戒心」をなくす
相手のリスクを「ゼロ」にする手法は、デートの誘いにも使えます。
とくに女性は、好きでもない相手には、1円でも、1分でも使いたくないと考えるところがあります。また、「夜の誘い」にも警戒しがちです。
そこで「時間を無駄にしたくない」「お金を無駄にしたくない」「一夜を丸々ともにしたくない」と考える相手に、それらのリスクが「ゼロ」であることをあらかじめ宣言する作戦が有効になるわけです。
「1時間でいいから、お茶しよう」
「1円もお金を出さなくていいから、映画に付き合って」
「土曜の昼間、ランチしよう」
このようにあらかじめデートの行程を明らかにし、相手の心理的負担を減らすと、誘いに乗ってくれる可能性が高まります。
営業トップの女性が名刺交換で使ったテクニック
このように、仕事における「営業テクニック」と「恋愛テクニック」には似た部分が多くあります。実際、営業職の中にはしばしば、恋愛テクニックをそのまま営業に活かして、トップクラスの売上実績を誇っている人がいます。
かつて私のお客さまだった女性もそうでした。
決して「枕営業」や「色仕掛け」をしているわけではありません。ただ、いうなれば「精神的な色仕掛け」なのでしょうか。取引先の男性を夢中にさせ、「もっとこの女性から商品を仕入れて喜ばれたい、気を引きたい」と思わせる術に長けているのです。
彼女が使った恋愛テクニックは、初対面から一気に相手の「懐」に入り、サッと引く、というものです。
初対面ではとにかく、相手との間合いを詰めます。
「精神的な間合い」ではなく、「物理的な間合い」です。名刺交換のときから相手の間合いに一歩踏み込み、相手の顔に自分の顔を近づけて話すのです。男ならば、嫌でも意識してしまいます。
しかし2回目以降に会うときには、初対面とは一転して、距離を置きます。相手は「あれ? 何かあったのかな」と感じ、「またあの距離感で話したい」と思います。こうして相手との関係を、自分のペースに引き込んでいくのです。