世界的な経済危機でも、米国には希望の光

新型コロナウイルス問題が深刻化・長期化しつつある中、その経済的影響が強く懸念されている。世界中で都市封鎖が実施されており、各国の生産活動が一時的に停止することにより、株価は数年前に逆戻りして雇用は信じられない規模で失われた。具体的には、世界経済の中心地である米国が3月26日公表した雇用統計において失業者数は跳ね上がり、ムニューチン財務長官が1929年の大恐慌以来初めて20%を超えるかもしれない、と警告する事態となっている。つまり、これは世界的に未曽有の経済危機がやってきたということを意味する。

嵐以上の都市を見て傘を持ったビジネスマン
写真=iStock.com/RomoloTavani
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ただし、米国は当面は深刻な事態であるものの、中長期的な視点に立つと底堅く回復していく見通しがある。ホワイトハウス・上下両院は約220兆円に及ぶ緊急経済対策を既に可決しており、両者は更なる経済対策も視野に協議を行う構えを見せている。また、トランプ政権が実現してきた減税と規制廃止は、米国の産業競争力を向上させて経済の底力を高めてきている。そのため、経済状況が一度上昇軌道に戻り始めればFRBの金融政策との相乗効果を発揮して、米国経済は劇的に復活する可能性がある。米国の現在の景気悪化は深い谷の中でも将来的な希望の光を見出すことできるものだと言えるだろう。