「浮浪の罪」というものが軽犯罪法で定められていることをご存じだろうか。「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」(同法1条4号)に対し、拘留刑(1日以上30日未満の身柄拘束)や科料刑(1万円未満の強制徴収)を科すものとされる。たとえば友人宅やネットカフェなどを転々とする生活のニートを、犯罪者として処罰する趣旨なのだろうか。定職に就かず全国を旅する、映画『男はつらいよ』の主人公、フーテンの寅は、軽犯罪法に違反するというのか。
日常生活に関連する法律問題に精通する久保内統弁護士は、「寅さんの場合、いわゆる『テキ屋』も合法な職業なので、短い期間でも働いて、そのうえでライフワークとして日本中を回っているということなら、浮浪罪に該当しない」という。
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