「申し訳なく思っている中国人はとても多い」
「ずっとマスクを拒んだり、マスクをつけている人を差別したりしてきた結果、これだけ感染が拡大した欧米に対しては同情していませんが、日本のことは心配しています」
こう語るのは上海在住の30代の女性だ。この女性は20代のときに日本に留学。上海に戻ってからは日系企業に勤務している。そうしたことから、日本に対しては特別な思いを抱いているが、日本に同情している理由は、それだけではない。
「日本の皆さんは新型コロナの問題が浮上してすぐ、マスクをしっかりつけていましたよね。もちろん、日本には花粉症もあるからでしょうけど、日本人は『他人に迷惑をかけてはいけない』という気持ちがとても強いからだと思います。だけど、それだけ注意していた日本人の間でも、感染が拡大してしまった。そして、日本は大変なマスク不足に……。そのことについて、心の中で申し訳なく思っている中国人はとても多いと思います」
昨年末以降、中国・武漢を中心に感染が拡大した新型コロナウイルス。中国のマスク不足を心配し、1月下旬から日本人が中国にマスクや防護服などを送ったことは多くの中国人に感謝されたが、その影響もあってか、日本の市場からはマスクがすっかりなくなってしまった。