日本の満員電車に「感心した!」
だが、そのお返しとして、3月下旬からは、中国のアリババを始め、在日中国領事館などから日本にマスクが送られている。双方の支援物資の段ボール箱には漢詩が書かれ、それがSNSなどで今も拡散している。
日本で『マスクを無料配布』した中国出身の人達
— MBSニュース (@mbs_news) March 19, 2020
背景には、日本から中国へ届いた支援物資への感謝があるようですが、そこに添えられていた、ある“漢詩”が中国の人の心に大きく響いていたようです。
『山川異域 風月同天』
1300年前にも日中を繋いだ漢詩でした。https://t.co/HzDbXjqd4J
支援物資の送り合いという形で、思いがけず日中友好の輪が広がっているが、その女性は別の面からも、日本人の対応に感心していることがあるという。それは中国では見られない「満員電車に乗るときの日本人ならではの行動」だ。
「今回の件で、日本では『花粉症です』と書かれたかわいいバッジができたそうですね。中国のSNSで写真を見かけました。満員電車の中でくしゃみをしていたら周囲から白い目で見られるからと聞きましたが、これはいかにも日本らしい対策だと思いました」
「日本の満員電車は、そこまで危険ではない」
日本人からすると、周囲の目をそこまで気にしなければいけないのか、と思うところもあるが、この女性はこう話す。「かわいいイラストのバッジにするところがアナログ好きな日本人的。でも、これは悪い意味ではなく、逆にほっこりするいい話だと思いました。しかも、言葉に出すのではなく、バッジをつけることによって、さりげなく相手に“察してほしい気持ち”を伝えるやり方ですよね。押しつけがましくないところがいい。中国人には思いつかない繊細なアイデアだな、と」。
しかし、これだけ世界中で感染が拡大している中、日本では、そもそも満員電車に乗ること自体どうなのかと是非が問われているが、その点についても、女性は意外なことを口にする。
「私は東日本大震災のときに日本に住んでいたのですが、日本人はあれほどの大震災があっても、その3日後には駅に何時間も並んで、必死になって会社に行きました。あのひたむきな姿に多くの中国人は驚き、感動したものです。しかし、今回は敵が目に見えないウイルスだけあって、濃厚接触のリスクが高い満員電車に乗るのはどうかという考え方は確かにあると思います。時差通勤をしているとも聞きました。でも、理路整然と乗車するところとか、咳エチケットを非常に気にするところを見るかぎり、日本の満員電車は、そこまで危険ではない、と個人的には思います」