「僕らにとっては普段からやっていること」

——経営破綻の前後で働き方は変わりましたか?

【水野さん】「僕らは破綻前も、今も、現場に判断を任せてもらっているという感覚は変わりません。僕らはスカイマークが好きで、だから破綻後も残りました。仕事を自分たちの裁量で工夫できるので、とてもやりがいがあります。

他部署との間にもあまり壁を感じません。空港カウンターなど旅客課の人手が足りないときには、僕らランプ管理課も応援に出て行きます。他部署と連携できるスカイマーク独自の仕組みが、ここ2年の定時運航率1位という結果にもつながっていると思います。

メッセージボードも、自分たちで決めてこれまで続けてきました。今回こんなに話題になり驚きましたが、僕らにとっては普段からやっていることなんです」

——メッセージボードが2015年1月から続いてきたのはなぜでしょう?

【水野さん】「離陸する飛行機に手を振ると、お客さまが窓越しに手を振り返してくださるのが見えます。メッセージボードをかざすと、やはりよろこんでくださる顔が見えます。お客さまのよろこぶ顔は、モチベーションになります。修学旅行の生徒さんたちが搭乗する便には、学校名を入れたボードをつくることもあります。クリスマスシーズンには課員がサンタクロースの衣装に着替えて見送りました。こんなささやかな工夫を繰り返しながら続けてきたという感じです」

千歳空港支店から始まったメッセージボードは、茨城空港や仙台空港などほかの支店にも広がっている。なお今回のコロナウイルスをきっかけに始めた「乗ってくれてありがとう」のボードは、千歳空港支店では3月いっぱいは使う予定だという。

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