バイトよりも高い時給を払っても「派遣を使う」メリット3

(1)必要なタイミングで人員をそろえることができる
(2)派遣会社の面接を通っているので人材レベルが高い
(3)給与・社会保険料支払いなどの業務が不要

(2)については、冒頭の大学生が言うようにすぐ辞めるというリスクがないということだ。(3)も細かい給与計算などの手続きを省くことができる。

パブで働く女性のジョブイメージ
※写真はイメージです(写真=iStock.com/kazuma seki)

(1)については「繁忙期のタイミングで人手を増やしたい、あるいは3日後のシフトがどうしても集まらないので用意してほしいという依頼もできます。また、オープニングスタッフとしていつまでに何人用意してほしいなど、要望に添って期日までに人員を用意してもらえる可能性が高い」(担当者)というメリットもある。

もちろん人手不足も影響している。

たとえば、飲食店などが求人広告を出しても求人コストが高くつく割に人手が集まらないという悩みをよく聞く。そこで、派遣会社にマージン込みの高い料金を払っても利用する店も多いようだ。

実は居酒屋など飲食店に限らず、他の仕事でも派遣のほうが時給は高い。

「一般事務」時給、バイト1060円vs.派遣1601円

2020年1月のアルバイトと派遣の職種別平均時給を比較してみよう(アルバイトはアイデムの「パート・アルバイトの募集時平均時給・関東4都県」、派遣はエン・ジャパンの「募集時平均時給調査・関東」)。

【図表1】アルバイトと派遣の職種別平均時給

時給の違いは歴然としている。しかも派遣の時給は派遣会社によって時給も違う。都内主要駅の土産物売り場で販売員をしている男性(27歳)はこう語る。

「一緒に働いている人たちは派遣が多いですね。ただし、登録している派遣会社が違うので時給も違います。僕は時給1400円ですが、別の派遣スタッフは同じ仕事なのに1500円。『なぜ違うの?』と聞くと、派遣会社と派遣先企業の力関係や交渉で決まるらしく、そのスタッフは派遣先の仲間と時給の話はしないようにと派遣会社から言われているそうです」

バイトより派遣の時給が高いとしても、どの派遣会社を選ぶのか、慎重に吟味する必要がありそうだ。