「経営を続けたい」が20ポイント以上も減っている

チェーン本部との関係についての質問では、「あなたは加盟したことに満足していますか」に対して、不満に思っている加盟店オーナーが5年間で17%から39%へと倍増している。その理由を見ると、一番上位に「想定よりも利益が少ない」とある。この5年間の加盟店の日販を平均すると、維持されているはずだが、最低時給の上昇によって人件費が高騰した影響が大きいのだろう。

今後の展望に関しては、「あなたは次回のフランチャイズ契約更新をどのように考えていますか」に対して、5年前と比較すると、「更新したい(経営を続けたい)」が68%から45%へ、「分からない(無回答、分からない、その他)」が16%から37%へ、「更新したくない(経営を止めたい)」が17%から18%へと変化した。

次回の更新を明確に拒否した割合は、実はさほど変わっていない。しかしながら、積極的に更新を希望する加盟店オーナーが20ポイント以上も減少し、その減少した分が「分からない」と答えている。

社会のインフラ、生活のライフラインとして信頼の置かれた世界に誇れる日本型「コンビニ業態」だが、実は店を経営する加盟店オーナー自身が将来に疑問符を抱いている事実が明るみに出た。

もう一つのコストは「月額数十万円の食品廃棄ロス」

先の担当官は、「コンビニ第一世代が、そろそろ代替わりとなり、80年代、90年代に加盟したオーナーが後継者を考える時期に来ている。新規オーナーを迎えるにせよ、子どもに継がせるにせよ、夢が持てないと、フランチャイズ・システムは持続しない。その夢を、どこに求めるのか、きちんと考えて、共存共栄を図ってもらいたい」と言った。

「今後の店舗経営を考える際に、不安に感じることは何ですか」の質問に対しては、上位二つは「従業員の費用が上がること」と「従業員を集められないこと」。人件費が毎年上昇する中で、売上や利益の伸長が止まれば、将来的に店舗を維持できない。作業に関わる総人時数の削減を、ぎりぎりの線まで絞っているとすれば、あとはチェーン本部が主導して、店舗の構造改革をスピード感を持って推進していくしかない。

「あなたが経営する店舗において、強化してほしい・新たに実施してほしい取組は何ですか」に関しては、「期限切れ商品のリサイクル」を、実に半分の加盟店オーナーが希望した。食品ロスは、チェーン本部による一部負担もあるが、加盟店にとって非常に重たいコストとなる。米飯のチルド化、惣菜の冷凍食品化により、廃棄コストを徐々に削減している加盟店もあるだろうが、月額数十万円にのぼる食品廃棄ロスは、人件費の次に来る大きなコストであることに変わりはない。