米中貿易戦争の次は、金融、通信、ITが主戦場となる

米中貿易戦争が過熱するなか、2019年6月29日に、G20大阪サミットで米中首脳会談が行われ、12月に両国の貿易交渉は第1段階に達した。20年1月13日には合意文書署名のため中国副首相が渡米したが、まだ不透明感は拭えない(20年1月14日現在)。

ファンドマネジャー 大竹愼一氏

これを受け、本書『米中壊滅』の共同著者である、米国在住のファンドマネジャー、大竹愼一氏は、この先の米中貿易戦争を、このように予想する。

「米中は貿易戦争の激化をひとまず回避しただけだ。両国の関税上げ合戦は更に続き、最後は米国が勝つ。中国がやられて、米国も相当、痛い思いをし、惨勝となるだろう。そして、貿易戦争の次は、すでに始まっている金融、通信、ITが、主戦場となる」

金融では、送金や金融商品の売買規制が出てくる。送金には通信が必要不可欠だが、米国はその通信を禁止し、米国にある資産を移動させないようにするだろう。具体的には、華為技術(ファーウェイ)の幹部や中国共産党のトップ、中国企業のトップの米国資産を凍結することだ。