基軸通貨という地位を現在もなお維持するドル

プレジデント2008年10月13日号に筆者が「『グレシャムの法則』から見た基軸通貨ドルの明日」というタイトルで文章を載せた。「ユーロの台頭、サブプライムローン問題の深刻化により、もろさを露呈するドル。それでもなお、基軸通貨の座を維持している理由とは──」という前文を付け、そして、その文章の最後に「ドルは、減価し続ける一方、国際貿易取引や国際金融取引において最も利用される基軸通貨という地位を現在もなお維持している」と書いた。

その後、9月のリーマン・ブラザーズ・ショックがグローバル金融危機に発展するにつれて、世界中の各国通貨の為替相場を大きく変化させるという影響をもたらしている。ドルが「国際貿易取引や国際金融取引において最も利用される基軸通貨という地位を現在もなお維持している」という背景から、グローバル金融危機のなかドルの減価は限定的なものとなっていて、むしろユーロや一部のアジア通貨が暴落する事態となっている。