中学校は細かく指示をしてくれない

中学受験の勉強は、ほぼ3年間という限られた期間に、普通の小学生がする勉強法ではとても太刀打ちできない量と中身をマスターしなければいけない。そのため、どうしても大人が手綱を引きがちだ。それが、たくさんの受け身の子を作り出してしまう。

ところが、中学に入学すると、よほど面倒見の良さをうたう学校以外は、あれこれ指示を出さない。最難関校だと、なおさらだ。自分で考えて、計画を立てながら勉強していかなければならなくなる。けれども、小学生時代に受け身で勉強してきた子どもは、大人から指示がないと何をしていいのかわからず途方に暮れる。わからないまま授業に臨み、定期試験を受け、その結果を見て愕然とする。それが続くと、勉強に対するやる気が低下し、学校生活自体も楽しめなくなってしまう。

中学受験は子どもに負担が大きい。「これほどまでに勉強させる意味があるのだろうか。なんでも親がサポートして、子どもの自立を妨げていないだろうか」と、中学受験の伴走をしているときも、終わってからも、今の中学受験のやり方に疑問を抱いている親は少なからずいる。そういう親は、中学生になったら子どもの自主性を大事にしたいと、突然手と目を離してしまいがちだ。

でも、私は中学1年生までは、親は目を離さないほうがいいと思っている。中学受験で何から何まで親の指示通りに動いてきた子が、中学生になったからといって、一人で何でもできるようになるはずがない。

その不機嫌は「思春期のせい」なのか

「今日は何を勉強する?」
「次のテストで点を上げるには、何を強化したほうがいいと思う?」

このように、親が子どもに「自分はどうしたいか」決めさせてきた場合(少なくとも考える機会を与えてきた場合)は、スムーズに移行できるが、これまで子どもにまったく自由裁量権がなかったのに、ある日を境に突然、「これからは自分で考えなさいね」と言われても、子どもは困ってしまうだろう。

成績は、学校生活の充実度にも比例する。中学に入ってから、朝に起きられなくなる、だらしなくなる、イライラしているなど子どもの様子がちょっとおかしいなと思ったら、注意が必要だ。この時期は思春期に差しかかるので、子どもの不機嫌ややる気のなさを思春期のせいにしてしまいがちだが、その理由を深く見ていくと、学校の勉強についていけていないことが多い。