これから下がる駅、それでも上がる駅

2020年の東京オリンピック以後、国内消費が落ち込むという指摘は様々な場所でなされているが、それは不動産市場も例外ではない。「アベノミクスの後押しもあり、2015年頃から国内不動産市場はバブルが続いていましたが、19年の8月から潮目が変わってきたように思います。20年以降は一部の不動産を除いて厳しくなってくるでしょう」。そう語るのは、東京マンションオーナーズ代表の依田泰典氏。依田氏は会社員時代から不動産投資を始め、現在23区内に23戸の分譲マンションを所有している。不況の最大の理由は、実は前述したオリンピック後の消費の落ち込みだけではないのだという。

放射状に広がる田園調布。ここの地価が危ない。(時事通信フォト=写真)

「これまで中古不動産価格の上昇を下支えしていた、サラリーマン不動産投資家への融資の締め付けが起きたのが要因です。買いたい人は多いのですが、買える人が減っているのです」

依田氏によれば、この一年で一部の金融機関が融資条件である年収条件を一気に引き上げたというのだ。「きっかけは、18年のスルガ銀行の不正融資問題です。これまで融資を受けられた年収500万円以下の会社員の審査が厳しくなった。それ以上の年収の方でも、1件購入できても2件目以降の融資が下りないケースも増えています」。