子どもが生まれる直前に夫の借金が発覚

第1子(長女)を出産後、2カ月で別の店のレジに勤め始めた。産後すぐに働き始めた理由は、夫に借金があることが判明したからだ。

第1子の生まれる1カ月前に、夫の借金(300万円程度)が発覚。理由はパチンコでの使い込みだった。「そこから、ずっと苦労の連続で……」と、玲美さんはうつむく。安定した仕事を探したものの、子どもがまだ小さいため、正社員としてはなかなか採用にならない。時給がよさそうなアルバイトを転々とした。

一方の夫は、長女が生まれてからすぐ、玲美さんの事前了解を得ることなく、正社員として勤めていた会社をやめてしまった。主にユニック(クレーン車)等を操作する建設系の仕事で、中型免許の資格を活かせる職場だった。やめた理由は人間関係。

「給料もボーナスも出る安定した職業なのに、なんでやめてしまったんだろう。子どもがいればそのくらい我慢できるんじゃないかな……と思うんですが」

それ以降、現在に至るまで、夫はずっと給料週払いの交通誘導員として、S市内の現場で働いている。正社員だった以前の仕事に比べて給料も大幅に減り、社会保険にも加入していない。国民健康保険で、支払いは免除という形になっている。

週払いの給料はその日のうちに全額パチンコに

パチンコによる借金は全て消費者金融から借りており、現時点での合計額がいくらになっているのかは確認できていない。夫は「自己破産はしない。毎月ちょっとずつ返す」と主張している。

金額的に見ても、現在の給料で働いて返済することはまず不可能だ。「債務整理した方がいいのでは」と玲美さんが提案するものの、かたくなに拒否。弁護士に債務整理の相談に行くこと自体、「絶対に無理」と拒んでいる。なぜそこまで嫌がるのか分からない。

夫は普段人とあまり接することもなく、休みでも1日中家にいて、暇さえあればパチンコに行く。地元のパチンコではなく、隣のB市にある大手のホールにいつも通っている。交通誘導員の給料は週払いで、毎週金曜日に入るが、その日のうちに全額パチンコに使ってしまう。

「なんで全額使ってしまうの? なんで生活費のために残さないの? と呆れてしまいます」

こうした状況のため、借金は減らずに増える一方。子ども3人分の児童手当も夫の口座に振り込まれてしまうため、全て夫がパチンコに使ってしまう。

児童手当は夫婦のうち所得の高い方(一般的には夫側)に支給されるルールがあるため、玲美さんの口座に振込先を変更することができない。