最近、オヤジの憩いの場所であるはずの居酒屋を席巻するのが男子禁制の「女子会」だ。食べ放題、飲み放題で3300円の女子会メニューを、関東、九州地方を中心に242店舗で実施する「笑笑」は、週末の予約の半分が女子会で埋まることもある。飲食よりもおしゃべり中心なので、制限時間は通常より1時間長く3時間。「執事」に見立てた従業員も付く。「2009年11月から開始して、利用人数は3月末までで約10万人の見込みです」(「笑笑」の広報)。企業の宴会数が激減する中、数年前から増え始めた女性顧客層をうまくとらえている。また、居酒屋以外でも、レストランや高級ホテルのお得なプランなど、女子会メニューを設置するところは多い。

「笑笑」女子会メニューは甘味も充実。デザート、執事付き、食べ放題、飲み放題で3時間3300円。

「笑笑」女子会メニューは甘味も充実。デザート、執事付き、食べ放題、飲み放題で3時間3300円。

女子会増殖の理由は、働く女性たちの台頭にもある。

「同期だけの場合もあるし、女性上司が声をかけ20代から50代まで15~16人集まり、飲むこともあります」(マスコミ勤務・40歳)。上の年代の女性からしか伝わらない人事情報などもあって、後で意外なところで役に立つという。

縦、横、社内、社外を問わず「女子会」というキーワードで柔軟につながれるのが女子の強み。「同じ年代の広報関係の業界女子会をやっています」(広報・33歳)。でも仕事の話よりは恋愛話が多いとか。3年前から女子会コーナーをつくっているOL向けサイト「OZmall」のアンケートでは、女子会で一番盛り上がるのは「恋話(コイバナ)」(68%)だ。そして「合コンと女子会どっちが楽しい?」という設問には89%が「女子会」と圧倒的。お得で楽しくて、合コンよりも当たり外れがない女子会。ここのところ飲みに誘っても女子たちが冷たいのは、そんなわけがあったのかも……。