スポーツクラブのマシンでストイックに体を動かすよりも、本当は屋外で運動をしたほうが気持ちいいと思っている人は潜在的に多いはず。
そこへ登場したのが「アウトドアフィットネス」。2007年9月に設立された「BEACH葉山アウトドアフィットネスクラブ」というスポーツクラブが掲げた新形態である。代表の黒野崇氏は、マシンを使った室内でのフィットネスが続かないという多くの人々の悩みを解決するため、アウトドアでのプログラムを考案した。具体的には、海辺でのヨガ、山岳路を走るトレイルランニング、カヌーやサーフィンなど。「運動は継続してこそ効果が出るもの。単発のレジャーではなく、あくまでも会員制のスポーツクラブとして提案しています」(広報の松村さん)。屋外で風を感じながら運動をすると、爽快感や開放感が感じられ、楽しいので継続できるという仕掛けだ。
この試みはスポーツクラブ業界からだけでなくレジャー施設の開発業者からも大きな注目を集めた。今ではアウトドアフィットネスのコンサルティング会社や、指導員育成などを目的としたアウトドアフィットネス協会も設立。最近ではJR東日本系列のホテル「ファミリーオ館山」でアウトドアフィットネスが導入されている。「退会率が通常のスポーツクラブより低いんです。ここ半年は協会に1日に3~4件、指導者の資格を取りたいという問い合わせがあります」(同広報)。
今後は海や山だけではなく、都心部でも爽快感を得られるプログラムを構想中だという。思い起こせば、外でラジオ体操をする心地よさは、人が本来求めている気分なのかも。テレビを前にWiiフィットで体を動かすのもいいが、やはり屋外の開放感には、それにかなわない何かがありそうだ。
http://www.outdoorfitness.or.jp/